ひかわ玲子 著 天野喜孝 絵
お勧め度★★★☆☆(2・5位かも。悪くないけど、正直微妙かな……)
「(前略)わたしは生よりも死を選び取る気は毛頭にない……たとえ、どんなに苦い思いに囚われたとしても。
死よりは生を。
だから、人は夜毎の死……眠りから目覚めて、朝を迎える」
「……“理”だな。そなたの言う通り、銀色のシャヌーン。朝は来る」
銀色のシャヌーン三部作の2冊目。
この巻はシャヌーンの過去編とも言える次作の橋渡し的存在の巻で、行方をくらましながら助けを求めてきた親友、スールーを探してシャヌーンが海底の国を旅する「夢の一夜」と、恋人たちに試練を課す月の女神シセラによて、醒めぬ眠りに陥ったシャヌーンを助けに月宮殿に赴くファりナたちを描いた「月の夢」の2編の中編を収録しています。
うーん、正直言うとちょっとがっかりすることの多かった2作目です。
いくら女は清く、が美徳の時代のファンタジーと言っても、前作で誰よりも頑張って冒険し、祖国の危機を救った勇敢なファりナ姫が好きだっただけに、この巻の、恋人シャヌーンの不在に耐えきれずただ涙を流し続け、それに耐えきれないから魔法の眠りを施してくれと自ら懇願してきたファりナには正直興ざめでした。
女らしさを増したとか描写されてましたが、正直なんだかな……、と言う印象。
ファりナがシャヌーンのために頑張る「月の夢」では、シャヌーンが眠り姫だし……、なんだか疲れてしまった。
それにあとがきで「シャヌーン、スールー、ファりナの関係はアーサー王伝説のアーサー、ランスロット、グィネヴィアの関係になぞらえている」と言っていますが、それもあまり感じられないしなあ。感性とか見方の違いかな……。
物語自体は決して悪くはないのですが、なんだかキャラクターの変化っぷりにものすごくがっかりした1冊でした。
あと2冊で完結だけど、読むかなあ……。
まあそこそこ薄い本なのですぐ読めるし、気が向いたら読むかもしれませんが、うん、正直微妙でした……。
でも、青龍と緋龍と黒龍は好きなんですよね。彼らがどんな結末を迎えるかは気になるな。
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