篠原まり 著 睦月ムンク イラスト
お勧め度★★★☆☆(良作だと思いますが個人的にはちょっと物足りないです)
「そんなこと言ったって、世の中に絶対というものはないよ。あるのは願いだけさ。でもね、本当に一生懸命願えば、それはきっと叶うとわたしは信じているの」
イングールの天馬の下巻です。間をおかず一気に読んでしまいました。
個人的にはいろいろ思うところもありましたが、楽しく読めた作品でした。
何より本当に少女小説! なかよしあたりで漫画化できそうな雰囲気なのが、読んでいて子供のころを思い出してしまいました。
子供が読んだら本当にドキドキするだろうなあ。
個人的にお気に入りのシーンは、本名を告げたいのにそのたびに邪魔が入ってしょんぼりするガイルズでした。思わず笑ってしまった。ほんとうに少女漫画を小説で読んでいるような作品でした。
逆に、やっぱり登場人物の多さとそれに伴う書き込みの浅さは残念だったところです。とくにレミルは浅はか過ぎて逆にかわいそうだったかなあという感じ。
でもなにより、惹かれあい、障害を越え、お互いに強い絆で結ばれるガイルズとアリシアは、世界観の雰囲気もあって、なんだか不思議な感覚になり、いいなあと思いました。
本当に、少女のための少女小説と言った感じ。そういう意味では、とても満足できた1冊でした。
しかし、敵役の暗殺者と話し合えばわかりあえるわ、って思考回路どうなんだろう。
必要なことだったと言っても、死人が生き返る設定も個人的には……。
ただ、いろいろと深いメッセージなども感じる事が出来て、そういうところは素直にいいなあと思いました。
子供の頃に読みたかった1冊です。
王道の少女小説が好きな方や、小さい子にお勧めです。
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