竹河聖 著 いのまたむつみ イラスト
お勧め度★★★☆☆(興味のある方はどうぞという感じです)
「後悔はせぬ」
やがてイルアデルは呟くと、ベッドから下りた。
「後悔など、死ぬ時にすれば良いのだ」
風の大陸外伝3冊目。
今回はイルアデルとティーエ、ボイス、ラクシの4人の、本編が始まる前の話を描いた過去話集です。
うーん、面白かったんですが、なんというかいまさら感が漂うんだよなあと思いました。ティーエとイルアデルの話は本編でも散々言及されてきていたことだし、ボイスの話は何がしたいのかよくわからないし。というかボイス、いくら少年だとは言えにぶすぎないか。大丈夫なのか。
しかしティーエとイルアデルは魂の双子と言ってもまるでコインの裏と表のようですね。ティーエが陽の月ならイルアデルは陰の太陽という印象があります。こんな二人がこの後本編でどのように絡んでいくのか楽しみです。
この短編集で純粋に楽しかったのはラクシの過去編。
ラクシのお兄さんが出てきます。このハラド殿下、正統派の王族って感じで良いじゃないですか。
どことなくグイン・サーガのナリスに通じるものがありますね。
ラクシも普段はまるで少年だけど、本当は心優しい可憐な少女であるというのがわかって好感度高いです。3人の中ではラクシが一番好きかも。
風の大陸は好きだし面白いと思うのですが、物語全体に流れる雰囲気が清流のように、なんだかきれいすぎて、さらさらと読んだあとに内容が流れて行ってしまう印象があるのがちょっと残念なところ。
と言っても本編もアドリエ編は佳境なので、期待して読みたいと思います。
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