原題 Rowan and the Keeper of the Crystal
エミリー・ロッダ 著 さくまゆみこ 訳 佐竹美保 絵
お勧め度★★★★☆(シリーズの中でも特にスリリングでどきどきします)
わたしたちは二人とも、何があっても勇気をもって立ちむかわなければいけないの。しかも、それぞれ一人一人でね。
エミリー・ロッダのローワン少年のシリーズ三作目。
この本は面白かったです! 個人的には今までの3冊で一番かも。
リンの谷でも一番の臆病者と思われているローワンが、実はマリスの民の長である<水晶の司>の選任役であることが明らかになり、その招集にこたえてマリスまで旅立ちます。
しかし、そこで一緒に旅立った母ジラーが毒によって倒れてしまい?
ローワンは彼自身が選ぶことになる三人の司候補生たちと一緒に毒消しを探し求めに行く!
というような話。
正直、ちょっとスケールが大きくなりすぎたかなあとか、ローワンが急に特別になりすぎてるかなあなどという気はするのですが、ローワンたちはどうなるのか? ジラーは助かるのか? など、とにかく最後までハラハラドキドキさせられるので、面白かったです。
何より、前二作に比べて格段に強く成長したローワンが良いです。まるで別人ですね。恰好いい。
そんなローワンも、いままではリンの谷だけで起こる出来事を相手にしていたのですが、今回からはそうもいかなくなりそう。これからローワンがどうなっていくのか、楽しみなところです。
相変わらず物語の謎が詩の形で明示されるのも良いですね。
今回の旅にはリンの谷の人はほとんど出てこなかったのでちょっとさみしかったけど、司候補生たちの三人がそれぞれ魅力的でよかったです。わたしはシーボーンが好き。
物語の展開としては、ドキドキ感も含めて王道な感じです。
個人的にはやっぱりローワンが特別な存在になりすぎてる感じがあるのが気になりますが、ローワン自体は相変わらず気の弱い少年なのが安心してうれしいところです。
このシリーズはたしか全部で5冊なので折り返しですね。
残りも楽しみによみたいと思います。
それにしても、マリスの民のイラストがまるで忍者である……。
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