原題 The Hunter's Moon
O・R・メリング 著 井辻朱美 訳
お勧め度★★★★☆(4・5位。アイルランド、妖精好きは必読ですよ!)
「シーの塚を知っているか」彼はたずねた。
「もちろん。ケルトの神話や伝説は好きなの。妖精の丘のことね」
「そこで、ぼくと会ってくれるか」
現代妖精もののファンタジー。これが日本では著者の初邦訳ですが、実質的には3作目に当たる作品です。
いやー、これは面白かった!
妖精好き、アイルランド好きの自分にはたまらない一冊で、一気に読んでしまいました。
いとこ同士のフィンダファーとグウェニヴァーは、アイルランドにちょっとファンタジーなもの(妖精)を探し出そうと夢見るファンタジー好きの女の子。
しかし彼女たちがその探索の末に出会ったのは本物の妖精王。フィンダファーが妖精王フィンヴァラにさらわれた! グウェニヴァーは彼女を取り戻そうと、現実のアイルランドと妖精の国を行き来する冒険をする。
と言った一冊。
何より雰囲気と登場人物たちが魅力的。出てくる妖精たちのシーンも、華やかでドキドキします。
フィンダファーとグウェニヴァー(どちらも同じ語形の名前。白い、美しい、という意味ですね)もいいけど、彼女たちを手助けする周りの登場人物も魅力的。
私がうっとりしたのはフィンダファーと妖精王フィンヴァラのロマンスです。フィンヴァラ恰好いいです。妖精の存在を信じる女の子なら、フィンヴァラにならさらわれてもいいとおもうのでは?? 彼の副官のミディールもいいですね。
最後はこの二人もどうなるかと思ったけど、くっついてくれてよかったです。現代に生きる妖精王。素敵ですねー。
こういう妖精ものの恋物語で、無事くっつくお話は貴重だと思うのですごくうれしかったです。
グウェンもすごく頑張った!
彼女の、妖精の国にあこがれながら、いざ目の前にするとそれを拒絶してしまう現実性、すごくわかります。だから本当に、グウェンは頑張ったと思います。警告されながらあっさりと妖精の食べ物を食べたあたりは、まああいきょうということで。
文句なく面白かったけど、最後いきなり戦いものになったのはちょっと唐突だったかな? って気はします。でも個人的にはすごく盛り上がったけど。
とにかく、妖精やアイルランドが好きな方には本当にお勧めの一冊。是非読んでみてください。
続きものらしいので、そちらもまた読んでみたいと思います。
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