- KAGEROU
- 発売元: ポプラ社
- 価格: ¥ 1,470
- 発売日: 2010/12/15
齋藤智裕 著
お勧め度★★★☆☆(興味のある人はどうぞ。思った以上に悪くはなかったです)
耳を澄まし、ジッと心臓の音に聞き入るキョウヤの目からひとすじの涙がこぼれた。アカネが不思議そうに首を傾げた。
「先生……どうして泣いてるの?」
いまさら言うまでもない話題の本ですね。こういう本やベストセラーはめったに読まないのですが、母が知り合いから借りてきたのを機に読んでみました。
amazonをはじめいろいろなところでぼろくそに言われているようですが、私はそう言ったレビューは一切読んでいません……。
そんな中読んだ率直な感想は、「思った以上に悪くなかった」です。
正直、文字は大きいし、ページもそんなに厚くありません。
本の体裁でいえばそこらへんの児童書とかヤングアダルトの本と変わらないと思います。
内容も、まさにヤングアダルトっぽい軽さでさくっと読めます。
経済的な理由を苦に思い自殺しようとしていた40歳のヤスオは、まさにその瞬間、一人の男に自殺を止められる。
キョウヤと名乗った男は「自殺するなら、その体を提供しませんか? もちろんタダではありません」
その言葉に、ヤスオはうなずいて……。
という話です。
話の題材はなかなか面白いと思います。
ちょっと設定がファンタジーな突拍子もないところもありますが、まあまあ許せるところだと私は思いました。
ヤスオはちょっと40歳にしては軽すぎるという印象もありますが、実際私の知り合いの40歳もあんな感じだしなー、と思うと何とも……。
正直、あと何冊か書き込んでいけばいいものができるのではないかと思います。
文章に~のように、という文章が多用される印象もありますが、たとえ方がなかなか面白い印象でした。現代ものならではですねー。普段ファンタジーばっかり読むので新鮮でした。
でも正直、買ってまで読みたいかというと微妙かな……。
でも話題性もあるし、そこまで悪い本ではないので、気になる人は手にとって見てもいいのではないかと思いました。
斎藤さんの今後の活動も含めて、私は期待したいと思っています。
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