西東行 著 睦月ムンク イラスト
お勧め度★★★★★(とにかくいろいろツボにハマりました! 面白かったです!)
「だがプルーデンス。あなたを思えば、私は歌いつづけることができる。ひとりこの空の下をさまよいつづけることも怖くない。──それが私の愛だよ」
吟遊詩人が出てくる小説を探していたときに見かけた本。イラストと題名に惹かれ、いろいろな本屋で探しまわったが見つからず、でもどうしても読みたかったからamazonで注文しました。
実際、買ってよかった! というようなそんな本でした!
少女小説ではあまり見かけない独特の世界観と、糖度は低いけどお互いを想い合うみずみずしい感情……。
イラストも素敵ですし、キャラクターもいい。
頭がよすぎるために周囲から孤立する貴族の娘プルーデンスはすっごく可愛いですし、13歳という同じ年ごろの女の子は共感する子も多いんじゃないかなあと思いました。
名前のない蒼い衣の吟遊詩人は、とにかく不思議で、包容力があって、魅力的です。
個人的にはすごくお勧めの本です。
私自身作者様と同じように、パズルや頭を使う遊びは好きですが、理数系は苦手。でも、なんとなくいいなあとは思います。そんな方には是非読んでほしい一冊です。
文章や小説自体も、最初は少し入っていきづらいですが、きれいな日本語ですし。中盤から後半にかけては一気読みできる面白さでした。
最後で、「いつかまた会おう」と別れた二人。そのふたりが、本当にいつか会えることを願ってしまうような、そんな一冊です。
身分が違いすぎるので結ばれることはないような、とても透明でプラトニックな感情ですが、それがなんともみずみずしくてたまらないのです。
鳥は星形の庭におりる、というタイトルは、日本の作曲家武満徹さんの管弦楽曲。
私はまだ聞いたことがありませんが、いつかこれを聞きながら再読したいなあと思う一冊でした。
タイトルも挿絵も雰囲気を壊していない期待通りの一冊なので、表紙を見て気になった方は手にとって損はない一冊だと思います。
いやー、本当に良い少女小説でした。
お勧めの一冊です。作者様の他の作品もまた読みたいと思います。
ちなみにこちらが題名の元になった楽曲の入ったCD。
興味のある方はどうぞ。
アーチスト: ボーンマス交響楽団
発売元: Naxos
価格: ¥ 1,093 (13% OFF)
発売日: 2006/06/01
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