(2013年感想45冊目)
原題 Rubinrot
ケルスティン・ギア 著 遠山明子 訳 ワカマツカオリ 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(4・5位。主役二人の恋模様にときめきます。)
「君は軽率で……危険で……それにそれに……」ギデオンは息を呑み、あたしを見つめた。「……勇敢だ」(p246)ドイツでは既に第一部だけでも100万部売り上げた、大人気のロマンス・ファンタジー。向こうでは今年3月に映画も公開されました。原書を踏襲したピンクの可愛らしい表紙が素敵ですね。まだまだ謎もいっぱいあって、一部目は壮大なプロローグって感じでしたが、面白かったです!
16歳のグウェンドリンはある日めまいに襲われた。それは一族に代々伝わるタイムトラベルの予兆。なんでそのために訓練していた従姉妹のシャーロットじゃなくて、あたしがタイムトラベラーなの!?
しかも相棒となったギデオンは気絶するくらい素敵だけれど、いけ好かないやつで……。
タイムトラベという複雑な時間的要素が物語中に張り巡らされているので、きっと再読したらいろいろわかって面白いだろうなと感じた作品です。(この感想は初読の感想を書いています)
わからないことや謎はいっぱいありますが、それでも面白く、ついついページをめくる手が止まりませんでした。
話は全体的にシリアスだけど、ところどころくすっと笑えるところがあるのがとっても素敵です。
でも、これは3部作が刊行されてから、一気に読んだほうがすっきりしそうな作品ですね。三部作目は8月刊行予定なので、ちょっと間があくなあ。
この本の魅力は、しっかりしたストーリテリングと、脇役も含めて魅力的な登場人物たちでしょう。特に、最初は仲が悪かったギデオンとグウェンドリンが、お互いへの気持ちを徐々に自覚して、最後は急接近するのがいいです。ギデオンも、最初はいけ好かないやつだったかもしれないけど、実はいい人みたいだし、グウェンドリンは可愛いし。
二人の恋模様や、友情や冒険は読んでいてとても良かったです。
ただ、物語自体は謎ばかり残るので、ちょっともどかしいかも。続けて二部作目も読みたいですね。
日本の少女漫画のような、とにかく可愛らしい物語なので、気になる方は一読してみるといいかも。私は好きです。三部作目が出る8月が待ち遠しいのです。
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