(2013年感想42冊目)
キャロル・ウィルキンソン 著 もきかずこ 訳 装画 町田尚子
おすすめ度★★★☆☆(ドラゴンを愛おしみたい人のための物語、かな。)
「そなたは、最後の龍守りだ、ピン」(p425)地元の図書館で、ずっと気になっていたシリーズを、今になって読書です。
作者はオーストラリア在住らしいですが、中国やドラゴンに惹きつけられてやまないらしく、これはそういった内容の本になっています。
奴隷として育ち、自分の名前も知らなかった少女が、あるとき龍の声を聴き、その龍と海を目指して旅に出る物語です。
なんといっても、表紙絵のピンとダンザがかわいい…!
でも、実際物語を読んでいると、ピンもダンザも、可愛いとはちょっと違う感じなのですが……。あんまり可愛くないかな。生きるのに必死なので、可愛さを求めるのもあれなのですが。
この本は3部作の1冊目らしいですが、一応この本だけでも、物語自体は一区切りついています。続編は、気になるような、そうでもないような…。
でも、リュウチャがこのあとどういうふうにピンと関わることになるのか気になるし、(運命の出会いって、ピンとリュウチャの出会いのことだよね??)ドラゴンの赤ちゃんとか絶対可愛いし、余裕があれば続きも読んでみようかと思います。
何より、こんな、日本で言えば上橋菜穂子さんが書きそうなお話を、欧州圏の作家さんが書くなんてすごいなあと思います。翻訳ものであることを、ともすると忘れてしまいそうでした。面白かったです。でも、たまに出てくるカタカナの読み仮名は、雰囲気を重要視するなら別にいらなかったかも。いや、これが翻訳ものだということを思い出させてくれたので、個人的には死霊使いにネクロマンサーと読み仮名が振られていても気にはならなかったのですが。
でも、作品全体がもう一歩って感じがしたのも確かかなあ。
しかしこの本は、ドラゴンと共存し、旅をするなんていうドラゴン好きにはたまらないお話です。ドラゴンを愛でたい人は一読の価値ありです。
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