香月日輪 著
お勧め度★★★★☆(久しぶりに面白かった気がする!)
「俺たちは、自分ができることしかできない。それは、特別な力を持っているお前でも同じなんだ。その結果、救えない者がいたとしても、俺たちができることは……それを“受け入れる”ことだけだ」(p193)
妖怪アパート8冊目。久しぶりの妖怪アパートです。
3年生になった夕士。春の遠足を終え、大学進学のために夏の講習に追われる日々。しかし、夏休みに息抜きで街に出かけたら、千晶先生や田代と一緒にとんでもない事件に巻き込まれ……!? どうなる夕士の夏休み!
というようなお話です。
いやー、こう言っては何ですが、久しぶりに心から面白かったような気がします! 最初のほうは、ああ、この話も何もなく終わるのかな……、なんて思っていたのですが、後半で起きる事件がハラハラドキドキでした。
夕士君もこの出来事をきっかけに、また一つ成長できたように感じます。
正直、この話を読んでると心にグサグサ来ます。読みたくないなあ、と思ってしまうことも多いし、説教臭くてたまに偏っているので、読むのが嫌になることも多いです。
でも、面白い! 本は面白く読んだ者勝ちだなあと改めて思いました。
説教臭いところとかは、自分が受け入れることができるところだけ受け入れたらいいのかなあと思います。
それにしても、千晶先生は本当にすごい先生だなあ。どんな修羅場をくぐってきたのか気になります。明らかになることは、ないんだろうなあ……。
でも、千晶先生と夕士君が、ちょっと「萌え」の方向に走っているのが気になるといえば気になります。児童書でそれはいいのか? いや、むしろヤングアダルトだからなのか? 児童書っていう垣根も、最近は低くなっているのかもしれません。そして、夕士君の夏休みは毎年大変だなあ。
でも、久しぶりに素直に面白いと思える妖怪アパートでした。お勧めです。
残りは二冊。こちらも楽しみに読みたいと思います。
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