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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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幻獣の書―パラディスの秘録
  • 発売元: 角川書店
  • 発売日: 1992/05

原題 The Secret Books of Paradys The Book of the Beast
タニス・リー 著 浅羽莢子 訳
お勧め度★★★★☆(タニス・リーの著作の中でも一際退廃的でエロティックな一冊)

「あなたの眼」と云ってしまった。自分でもとめられぬかのように。「見たこともないほど──緑色」
「遠い昔、わたくしの眼は緑ではありませんでした。これはこの身に起きたことの象徴。我が身に刻まれた印。この眼は戦がつけた傷痕なのですわ」

大好きな作家、タニス・リーの作品。そう言えばこれは読んでなかったなあと思い、いまになって手をとりました。
中世ヨーロッパの架空の都パラディスで繰り広げられる妖しく不思議な物語です。

学問を志すラウーランが、下宿先で美しい、とても美しい女性の幽霊を目撃したところから、この下宿がかつてはデュスカレという公爵の一門のものであったこと、その呪われた歴史を聞くに至ります。

いやー、なんとも薄暗くて、どろどろしていて、ぞくぞくします。下宿先で幽霊を見て、という導入も、王道ですが大好きな導入です。
物語はラウーランやデュスカレ公爵夫人エリーズの物語が語られる「緑の書」と、デュスカレ家の呪いの起源をローマ時代にまでさかのぼって求める「紫の書」、そうして再びの「緑の書」という構成になっています。

呪いを恐れ妻に触れる事も出来ない公爵エロスと、媚薬を使ってでも夫に愛されたい夫人エリーズのお話もよかったのですが、私のお気に入りはローマ時代の、「紫の書」

最初は紫水晶だったものが、どうして緑色になっていったのかも気になるところです。これだけで物語が書けそうですね。

タニス・リーの著作の中でも、一際エロティックなシリーズだと思います。その退廃がにおい立つような描写は、私たちまで、架空の都パラディスを「視ている」ような気持ちにさせられます。

どの話も哀しい結末が多かったけれど、最後はそれなりに幸せに終わってよかったかな。でも、ラウーランより、エロスやエリーズ、ウスカやルケルが印象に残った1冊でした。
このシリーズもあと1冊邦訳が出ていますね。そちらも読もうと思います。

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