原題 Undine
M・フーケー著 岸田理生訳 アーサー・ラッカム絵
お勧め度★★★★★(一人でも多くの方に読んでほしい作品です)
ドイツ・ロマン派後期の作家フーケーの代表作にアーサー・ラッカムが絵を入れたもの。
水のニンフェットであるウンディーネと、騎士フルトブラントの美しくも悲しい物語です。
高校生の頃初めて読んだ時から、私の最も好きな作品のひとつに数えられる作品です。
読んだ後にはいつも悲しくなり、でも心のどこかは澄み渡っていて、余韻に浸りたくなる作品です。
文章はちょっと固めですが、小学校三年生からと銘打ってあり、振り仮名がたくさん振ってあるので、幅広い世代で読むことの出来る本です。個人的には感受性豊かな学生時代や、大人になって愛情を知った時とかに読んでほしい一冊です。
ラッカムの挿絵はもちろん美しいです。12点。全てカラーです。
ラッカムの中性的でありながら美しい女性であるというような人物の欠き方は、この物語をさらに奥深く繊細に彩っていると思います。
一人でも多くの方に読んでいただきたい名作だと思います。
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