悪ノP(mothy) 著 鈴ノ助 表紙絵
お勧め度★★★★☆(このシリーズは嫌いじゃないです)
「愛とは我が侭なものだ。相手が欲するものを与えたいと思う反面、相手のすべてをほしいと思わずにはいられない。相手の目がほかに移れば嫉妬もする」
ボーカロイドを使って製作している楽曲のノヴェライズ、「悪ノ娘」第二弾です。
今回ノヴェライズされている楽曲は、「白ノ娘」と「リグレット・メッセージ」でした。
歌詞は本の帯についているので、楽曲を聞いたのは読了後でしたが、それでも十分に楽しめました。
ただ、前作の黄色い話を読んでからのほうが絶対楽しめると思います。
私が感動したのは本の装丁。前作で違和感を覚えた余白の多さが改定されていてうれしかったです。
お話としては、ややご都合主義というか、ちょっと安っぽいところがありますが、良いお話でした。好きか嫌いかと言われると、やっぱり好きなお話です。
今回は前作に出てきたクラリスとミカエラの友情物語と、二人の視点からみた前作のお話です。
正直二人は百合百合しているので、そういうのが苦手な方にはあまりお勧めできないかもしれません。
それより私が抵抗感を覚えたのは、むしろミカエラがもとは性別がないと言っても、最初のほうは少年っぽい印象で書かれていたことですね。むしろ深く考えると百合じゃないんじゃ…? という感じもするので、そのあたりも微妙。
お話としては、前作の謎はだいたい解消されて、文章力も向上していて、新しい謎も出てくるので、すっきりと読めます。
この話はみんな取りつかれてるだけで、本当に悪い人はいないのかもしれないなあというのも大きいです。
すべての元凶はカイル王子? という気もするので、そのあたりがどうなるのかも楽しみです。
次回作も読むんだろうな、と感じた作品でした。
興味のある方にはお勧めの1冊。
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