原題 The Singing Stone
O・R・メリング 著 井辻朱美 訳
お勧め度★★★★☆(ケルト好きにはたまらない一冊です。)
「ここがわたしの故郷なのかしら」ケイはひそかに考えた。「さもなければ、わたしの両親の生まれた場所?」
メリングのケルト・ファンタジー第二弾。
孤児の少女ケイは不思議な夢や出来事に誘われるようにアイルランドの地へ向かう。そこで見つけた「歌う石」をくぐると、なんとそこは紀元前1500年のアイルランドで…?
ケイはそこで記憶をなくした少女アエーンと出会い、互いのルーツを探し求める……。
といったようなお話。
今回は舞台となる時代がだいぶ古いので、神話好きとしてはうれしいことにほぼ神話の時代まで時代が遡ります。神話の時代の登場人物たちが、いきいきと、明るく、魅力的に描かれる様子は読んでいてとても楽しいです。さすが。
今回も女の子の二人旅で、そこにロマンスが絡む様子もたまらなくツボです。とくにアエーンとアマージンの恋は王道でいいですねー。アランとケイの交流も好きです。
今回は前回に比べると神話的、叙事詩的要素が強いのが本当に好みで、一日で一気に読み切ってしまいました。楽しかった!
ただ、今回の主人公のケイはある特別な出生を抱えていて、そのために不思議な力が使えるところはあんまり好きじゃなかったかも(前回の、なんの力もない現代女子が頑張る話が好きだったので)
ただ、ケイやアエーンの謎が最後のほうに向かって一気にとかれる様子は読んでいて引き込まれた。
こういうお話の展開も嫌いじゃないですし。
また、最後のほうで出てくるマーリンの話なんかはにやりとさせられました。こういう細かいところも、ケルト好きとしてはさらにうれしいところですね。
とにかく、面白かったです! 300ページ一気読み! ケルトが好きな方は、是非読んでみてくださいね。
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