駒崎優 著 岩崎美奈子 イラスト
お勧め度★★★★☆(シリーズの中でもハートフルな感じの一冊です)
「心配しなくても、おまえの名誉を命がけで守ろうとしているのは、ピートだけじゃない」
「──愛してるよ、ギル」
「判ってる」
ギル&リチャードシリーズ3作目。今回は題名からもわかるとおり、クリスマスの頃の話です。
クリスマスに皆が楽しみにしていたワインを運ぶワイン商が殺された! その犯人を探せ! 的なお話。
と言いつつ、あらすじに反して推理物とかでは全然ありません。そういうのを期待するとがっくりです。
今回びっくりしたのは、なにより女の子がいっぱいしゃべってること! とくにジェインがいいです。この娘好きだ。
あとはピートにもぐっと来たり。
基本どこからでも読める一巻完結ものなので、リチャードやギルに劇的な進展があったりはしないのですが、3冊目にもなると登場人物にも愛着がわいてきて、一層楽しく読めたりします。
まあ基本雰囲気ものなので、細かいことを気にするといろいろ気になって仕方ないんだと思いますが、細かいことを気にしなければ楽しめるはず。
今回は(発売した時期に反して)クリスマス物だったせいか、なかなかハートフルな事件展開だったのもいいですね。
ただ、そろそろリチャードの父親について作中でもガツンと言ってほしいところだったりするような…。
それは最終巻とかなんでしょうか。
なんか抜き出した台詞だけみるとBL物っぽいんですが、この二人はあくまで血縁愛な感じ。作者の駒崎さんも、もとは同人誌とかからの出身らしいですが、この二人はそういう視点から作ったキャラではないとか言っていますし。
でも必ず一巻に一回は愛してるとか言っているような気もしますけどね……。
タイトルも、やっぱり毎回紋章にちなんでつけているらしく、いつも結構楽しみです。
これからも楽しみに読んでいきたいところです。
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