高里椎奈 著 ミギー 絵
お勧め度★★★☆☆(3・5位。まあ、このシリーズになってからそれなりに面白いですね)
「藪医者の言うグールの国ってのには賛同しかねるけどね。人が暮らすのは場所じゃない、誰の隣にいるかが重要なんだ。世界中でそこしか居場所がないみたいな言い方は面白くない」フェンネル大陸の真勇伝の二巻。
今回はグールの国と呼ばれるフィー・バーフューに、海を越えて旅に出ます。
そこはグールの楽園だと思っていたフェンやテオの予想を裏切り、その島には厳しいおきてが存在していた…!
という話。
今回はグールの国と言う、フェンやテオにとってのルーツとかそういうものに近い場所での冒険だったため、今までには書かれなかったテオのモノローグが書かれたり、テオがフェンとの関係を自覚したりと、人間関係において少し進展があった巻でした。
きっと高里さんもこの話は書きたかったのかな? と思う部分があり、よく練りこまれていて、このシリーズにしては久しぶりに面白く感じました。
まあ相変わらず、人が負傷しても死ななかったり、どんな悪事を働いても許されてしまうご都合主義みたいなものは本当に鼻について好きじゃないのですけど。
とくに父王を殺しておいて、
「悪いことをしたときはどうするの?」
「ごめんなさい!」
「よし」
ですまされてしまうのは本当にどうかと思う。謝って人殺しがすむなら警察いらないですよ。
もうそういう都合のいいところは本当嫌い。
あと、言葉の選び方が独特で漢字が難しいのも気になるよね。読めるけど、何なんだろう。
フェンとか、不正を糾弾するときに「片腹痛い」とか言い出すので、え、あなたまだ14歳の子供でしょう? とか思ってしまう。まあ確かに私もそれくらいの年には片腹痛いとか言ってましたが、何か違和感があるんですよね……。
でも、確かに登場人物に好感がもてた一冊ではあります。
ダイアンの最後の言葉では、意外な真実が明らかになったり。
でも、ファンタジーとして読むと本当に歯がゆいんですよね。
あと、作者様ってきっとすごく幻想水滸伝に影響受けたんだろうなーっていうのがこのシリーズ読んでるとすごく思います。事実はわかりませんが。
偽王伝よりこちらのほうが好きです。
偽王伝で投げ出さなくてよかった。
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