原題
Alanna: The First Adventure
タモラ・ピアス 著 本間裕子 訳
お勧め度★★★★☆(子供向けですが大人も楽しめるファンタジーです)
10代の女の子向けのファンタジー小説作家タモラ・ピアスの著作ですが、大人から子供まで楽しめる作品だと思います。
私は20代ですが、最初はちょっと遠慮していても、読み始めたら楽しく読めました。
主人公はトレボンド男爵家のアランナ。彼女は騎士になりたくて、双子の兄のトムは魔法使いになりたい。
でも父親はアランナを修道院、トムを騎士学校に入れさせようとしたので、双子は入れ替わって(というか男の子の双子だと偽って)アランナが騎士学校に男の子として赴きます。
トムはこの巻ではほとんど出てこないので、物語はアランナの話に終始します。
前半は騎士学校での生活が書かれ、後半は黒い都と呼ばれる南の都市での冒険です。
アランナの騎士学校生活はギムナジウムを舞台にした少女漫画のようなような趣があってなかなか面白いです。
この話も先に読んだ「アーサー王ここに眠る」と似たモチーフの話ですが、アランナが第二次性徴を迎えた時の切り抜け方が嫌味も違和感もなくてよいと思いました。
ただ、アランナを取り巻く男の人たちは双子の兄のトム、王子のジョナサン(ジョン)、盗賊の王ジョージなど、思いっきり英米名なのがちょっと違和感といえば違和感。ファンタジーなのだからもっとファンタジーらしい名前にしてくれ、と思わなくもないですが、逆にこっちのほうが一般的には入りやすいのかもしれませんね。
多分今後の展開としてはジョンとジョージでアランナをめぐってロマンスが繰り広げられるんでしょうけど、どうなるんでしょうね。でもジョンとジョージ自体は普通に仲がいいので、私的には好感です。
10代の女の子が求めるのはロマンスと男の子同士の友情だと思うのですが、その二つがバランスよく配置されている作品です。
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