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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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ヘルマフロディテの体温
ヘルマフロディテの体温
  • 発売元: 武田ランダムハウスジャパン
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2008/04/03

小島てるみ 著 山本タカト 表紙絵
お勧め度★★★★☆(気になるなら読んで損はなし!)

発売当時から気になっていた本。今になってやっと手に取り、読了しました。
題名の通りヘルマフロディテ(両性具有)を扱った本です。
でもそれ以上に、流れる水の物語という印象を強く受けました。

あるとき、母が男なった。シルビオは捨てられた。
シルビオは学生になった。大学のゼータ教授はヘルマフロディテで、その筋の権威だ。
母を男にしたのはゼータ教授だった。
シルビオはなぜか女装がやめられなかった。あるとき街に出たら、教授に女装姿を見られ、写真を撮られた。
写真を公開すると脅され、シルビオは教授の助手になり、最初のヘルマフロディテの物語を執筆するように、課題を出されるのだった…。

という話。水の印象がすごく強い話なのに、主人公はシルビオ(森)なのねと思った作品です。
耽美系かと思ったら、ギリシア神話などを織り交ぜ、どちらかというときれいな印象です。

おもしろかったです。読後感もよく、なんだか温かい気持ちになれました。
ただとても期待していた本なので、正直期待以上のものではなかったという印象でした。
翻訳文のような美しい文章と書かれていましたが、正直言うほどでもないと思いましたし、翻訳文のように格調が高く見えるのは書体のおかげだったり、装丁のおかげだったりする気がします。

そこまで期待しなければ確実におもしろく、印象に残る本です。
こういう不思議な世界が好きな方には、お勧めです。
 
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