原題 The Tombs of Atuan
アーシュラ・K・ル=グウィン著 清水真砂子訳
お勧め度★★★★★(やっぱりゲドは面白いです!)
ゲド戦記の二巻です。私が書くまでもなく名作なのですが、やっぱりとても面白いです。
何度か図書館で借りたもののフィーリングがあわずそのまま返すという行為を何回か繰り返して、やっと読んだらこれがすごく面白いので一日で一気に読んでしまいました。
この2巻はアチュアンという暗闇の墓所の巫女、アルハ(テナー)が主人公のお話で、ゲド戦記といいつつもゲドはあくまで重要な脇役にすぎません。
アチュアンの大巫女が死んだ日に生まれたテナーは大巫女の生まれ変わりとして、その地位を継承します。
幼い時から高位のものとして生きるということや、闇への恐怖と親しみ、闇の中で生きることの安逸さとそれでも光(外)の中に出て行くことの自由に対する葛藤と不安などが描かれます。
なによりこのテナーがとても可愛いです。女の子ならきっと、このテナーに入れ込んで読んでしまうのではないでしょうか。テナーが囚人となったゲドとの出会いで変わって行き、彼を助けたいと思い、そうして自分の意思で自立的に行動すること、ゲドと築いていく「信頼」関係が、なんとも面映くも嬉しく感じます。
それにしてもゲドはまだ青年と言っていい年だと思うのに、なんだか本当にすごく落ち着いていて読んでいて安心します。
中学生からとなっていますが、大人まで楽しめる作品です。
一巻からつながっているお話ですので、一巻とあわせて是非読んでみてください。
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