原題 Return of The Vimpire
キャロライン・B・クーニー 著 神戸万知 訳 サイトウユウスケ 表紙絵
お勧め度★★★☆☆(前作とほとんど変わり映えしない感じです)
家で生活する音は、なんてありふれているのだろう! 母さんの声、ルークがイスを引きずり、ポットをスプーンでたたく音。
でも、これこそが、美しいのね。ごく当たり前のものが、いちばん美しい。
クーニー女史のバンパイアシリーズ2作目。
うーん、正直、一作目とほとんど変わらないという印象を受けました。
転校生の地味な女の子が、美人の同級生にあこがれて、美人になりたいと願う。頭がよくなりたいと願う。そうして友だちたちをバンパイアに差し出す。しかしそれに後悔して、最後はバンパイアを追い払う。
キャラクターの造詣、プロットなどがほとんど前作と一緒で、あまり変わり映えしない印象でした。
しかも前作はそれなりに存在感のあったバンパイアの影が薄くなり、ほとんどタイトル詐欺だなあと。
バンパイアより、バンパイアが住んでる塔のある家のほうがよほど魅力的に感じてしまいますね。
でも、前作よりこちらのほうが好きです。主人公の女の子にはあまり感情移入できませんでしたが、物語を通して伝えたい事や、主人公の女の子の成長、成長を通して得たものなどが伝わりやすく、最後はありきたりながらなかなかさわやかな読後感でした。
前作の登場人物たちのその後もちらりと示されていて、一気に読んでいる人間としてはうれしい。
3作目はまた、いままでと違う物語が展開していくようなので、期待しています。
と言っても、どうにも極端で、暗くて、じめじめしていて、あんまり好きになれないシリーズなんですよね。
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