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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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マユリ
性別:
女性
自己紹介:
Since2010.11.26
総読書感想数 430

読書と音楽とゲームとおいしいものと人形をこよなく愛する多趣味な人間です。
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メルカトルかく語りき (講談社ノベルス)
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麻耶雄嵩 著
お勧め度★★★★☆(正直麻耶さんファン以外にはお勧めできませんが)

「まさか、配達員も部屋の中に購読者の死体が転がっているとは思ってもいないだろうな。扉一枚隔てた血の匂いが感じ取れないようでは、彼には探偵は無理だな」

題名のメルカトルというのは人名です。
麻耶さんの久しぶりのメルカトル鮎の短編集。すごくうれしいですが、すごくぶっ飛んでいます。さすが自ら短編向きと豪語する探偵です。

この本には、「死人を起こす」「九州旅行」「収束」「答えのない絵本」「密室荘」の5編を収録。
本当になんて言うか、極悪銘探偵ですねー。
犯人の証拠のねつ造、死体の隠ぺい、被害者が出るとわかっていてもそれを止めることもしない。
メルカトルならではの、彼だからこそ許される所業の数々が見ることができます。

個人的には「メルカトルと美袋のための殺人」のほうが好きでしたが、でもメルカトルでなければなしえないという意味では、こちらの短編集のほうが真骨頂ですね。

お気に入りは「九州旅行」かな。事件になんも関係のないタイトルといい、メルと美袋君が死体の横で寸劇を始めるシュールさといい、たまりませんね。

麻耶ファン以外にはお勧めできるものではありませんが、麻耶さんファンなら自信を持ってお勧めできる一冊だと思います。

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彩雲国物語―緑風は刃のごとく (角川ビーンズ文庫)
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雪乃紗衣 著 由羅カイリ イラスト
お勧め度★★★★☆(読みやすいし、久しぶりに文句なく面白かった!)

「……主上は、どうして私と絳攸に“花菖蒲”を渡したのだろう」
ふと、秀麗は楸瑛を見上げた。その整った顔には、微苦笑が刻まれていた。
「あのとき、そばに、私と絳攸しかいなかったからかな」


彩雲国物語本編10冊目。
冗官(無職みたいな物)になった秀麗は、一か月以内に何処かの部署で使ってもらえなければ本当にクビになってしまう…? でも、他の冗官たちの面倒も見なくてはいけなくて……??
という話です。

今回はまず、表紙が良いですねー。秀麗がなんだかとても可愛いし、色合いもさわやかです。
前の茶州編の話もそれなりに好きでしたが、今のこの御史台編も、秀麗や他の登場人物により感情移入出来て、こちらの方が好きだと感じてしまいます。

今回は新キャラの陸清雅も登場で、秀麗の好敵手として、これからの活躍がとても楽しみです。こう言うキャラ好きなんですよね。
タンタンもいいですね。最近、キャラクターの性格のバリエーションも一層広がった気がして、飽きさせません。

今回は、話もすごく読みやすかったのも印象的です。次の巻に向けて色々波乱もありそうなので、どうなるか楽しみに読みたいと思います。このシリーズの中でも、お勧めの一冊です。

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荻原規子 著 桃川春日子 イラスト
お勧め度★★★☆☆(面白くないわけではないけど、正直個人的には微妙。ファンタジーだと思って読むとがっかりでした。)

「あたしはお城様とは従姉妹かもしれないけれど、ルーンとはきょうだいよ」
少し考えて、ルーンは慎重に聞いた。
「兄と妹?」
「姉と弟よ」
「兄と妹だろう。世話を焼かすくせして」

「薄紅天女」の後に出た、荻原さんの新作だった本です。
西の善き魔女、というタイトルと、冒頭の歌、ファンタジーと読書を嬉しそうに語るあとがきの作者様から素敵なファンタジー小説なのかなぁー、と期待しながら手に取り読んだのですが、正直ファンタジーとして読むと、個人的には期待外れでした。
これは少女小説だと思います。まあ作者様はファンタジーと言っているので、敬意を表してカテゴリはファンタジーにしますが、これをファンタジーというのには抵抗が。

まず、作中に出てくる童話や文書の名前などを、シンデレラ、七匹の子ヤギ、ヘルメス・トリスメギストスと実在の物を使っていることにすごくがっかりしました。まあ多分この世界では、われわれ読者の現実にあるもの=異端という設定なのでしょうけど、それでもなぁ……。

あと、女王候補のアデイルお嬢様が腐女子だったのも、がっかりを通り越して絶望しました。
キャラクターやそれなりに魅力的ですが、一部に作者様の思い入れの強さみたいなものがにじみすぎていて、あまり冷静に描写できていないのでは? と感じてしまいます。

それでもそれなりに面白く、読ませる部分はあるし、情景が目に浮かんでくるようなところはさすがなのですが、やっぱりこれはあくまで少女漫画でしょう。
コバルトとか、ライトノベル系のレーベルの物語がお好きで、それでもいいという方は読むのもいいのではないでしょうか。

個人的に、やっぱり詰め込み過ぎで何がしたいのかいまいちよくわからないのが、なんとも残念です。
まあ、ユーシスやロットは嫌いじゃないので、きっと続きも読むんだろうけど。
 
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冴木忍 著 鶴田謙二 絵
お勧め度★★★★☆(味わい深い佳き短編集です。)

「志は立派だが、現実は厳しい。道士というのは、人間の醜い面を正視する仕事だからな。狡さ、醜さ、おぞましさを見て、やがて君も知るだろう。人間こそが魔物だということを」

道士リジィオの4冊目。そして現在では刊行されているシリーズ最後の巻です。
この巻には、「久遠の微笑」「眠れぬ夜の……」「月の痕」「虹色の封印」「刻の静寂」の五編を収録。
「虹色の封印」にはルーチェンやリジィオの兄弟子などが出てきます。

今回の話はどれも、しんみりとした味のある雰囲気なのがいいですね。
まさに冴木さんの得意なお話と言ったところでしょうか。
お話の長さも50ページくらいの物がほとんどで、よくまとまっています。
相変わらず人間の怖さみたいなものが書かれていますが、それと同じくらい人は優しくなれるものなのですね。

個人的には、シザリオンのお兄さんが出てきたり、スティンの過去が明らかになったりする「刻の静寂」はお気に入りです。
お話的にいえば、「虹色の封印」もなかなかいいですね。

この話、もう10年以上新作が出ていないことが残念でなりません。とてもいい話だと思いますし、今読んでも色あせない話だと思うので、ぜひ新作が出てほしいなぁと思います。
まあでも連作短編なので、長編の作品ほど、「続きが気になる!」って感じではないのですが、もっとリジィオの活躍がみたいなー。

それにしてもスティンってこんな顔してたのか……。(挿絵より)
イメージとかなり違って驚きました。

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冴木忍 著 鶴田謙二 イラスト
お勧め度★★★★☆(今までと毛色の違う話もあっておすすめ)

「道士というのは、因果な仕事です。自分の生命と生活を削って、困っている他人を助けている。時には他人のために、自分の愛する者を失ってしまう。……辛い仕事です」
 アルーンの言葉がリジィオの胸に刺さった。道士が辛い仕事であることを、リジィオも知っているからだ。

道士リジィオの第三巻。題名は、きらのロンドと読みます。
刊行ペースが本当に3年寝太郎です。次はオリンピック男だからなぁ……。リジィオ好きなんですが、何でこんなに刊行に恵まれないのか。
それにしても、表紙のリジィオが美しいですねー。お気に入りです。

今回の巻には、「煌の輪舞曲」、「緑の記憶」、「呪文の行方」、「夢の雫」、「黄金の地平」の五編を収録。
リジィオの借金返済の旅に、新たに超音痴な道士の幽霊が加わったりして……?
という話です。

個人的に、このシリーズは、明るく見えて実は相当怖いというか、救いのないというか、そう言うちょっと暗い話です。人間の暗い部分を見るのが道士という仕事なんでしょうか。
だからこの巻も、道士の仕事の辛さというのがよく描かれている巻です。
それでも心が少し温まり、救われたような気持ちになるラストを描く冴木さんのこういうテイストの話は、好きなんですけどね。

今回の話で言うと、「夢の雫」は今までとちょっと毛色というか、視点が違います。こう言う話もなかなかいいですね。
でも個人的なお気に入りは「緑の記憶」でしょうか。一番ファンタジーっぽい話だと思ったので。

短編集で、簡単に読めてしまうお話しなので、おもしろく気軽に読めるラノベ等を探している人にはお薦めのシリーズです。
刊行分のあと一冊も楽しみです。

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