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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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マユリ
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女性
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Since2010.11.26
総読書感想数 430

読書と音楽とゲームとおいしいものと人形をこよなく愛する多趣味な人間です。
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修道士カドフェルの出現 (現代教養文庫)
  • 発売元: 社会思想社
  • 発売日: 1997/03

(2012年感想60冊目。)
 
原題 A Rare Benedictine
エリス・ピーターズ 著 岡本浜江 岡達子 大出健 訳
おすすめ度★★★★★(カドフェルは初めて読みましたが、すっかり虜です)

いや、どの道を通ろうと、行く手に目印の光など見えはしない。この世は広くて美しく、興味は尽きないが、道しるべなど、どこにもありはしないのだ。(p18)


エリス・ピーターズの修道士カドフェルシリーズの短編集。
「ウッドストックへの道」「光の価値」「目撃者」の3つの短編を収録しています。

カドフェルはずっと前から興味があったのですが、読むのは初めて。とっつきやすそうという理由で、いきなり最後に訳出された短編集から読んだのははたしてよかったのか悪かったのか!? 初めて読むのですが、(個人的には)短編集から読んで正解だったかも。長編を読んだことはありませんが、短編集にもカドフェルのエッセンスが詰まっているように感じました。

特にこの短編集は、カドフェルが修道士への門をたたいた理由からじっくり読むことができて、非常に満足です。三つの短編の中で、やはり印象的なのは最初に収録されている「ウッドストックへの道」でしょう。40歳を迎え、人生の岐路に立たされたカドフェルのまとう黄昏のような雰囲気が何とも魅力的です。それでいて、事件はなんとも後味がいいというか、優しい幕切れというか、余韻を持たせています。

カドフェルの探偵としてのスタンスは、だれに対しても公平なところが、魅力であるのでしょうね。そんなカドフェルに、すっかり夢中になりながら読んでしまいました。
修道士になり、薬草園を任されたカドフェル。そんな彼がかかわる事件にもたらすものは、カドフェルのような老境の人間だから導き出される、優しさなのですよね。

12世紀のイギリスの雰囲気も、本当によく伝わってきて素晴らしかったです。修道士たちの暮らしぷりなどを読んでると、読者も修道院で暮らしているような何とも言えない味わいがあります。この本を読みながら、夕べの祈りが聞こえてくるような、そんな気分になりました。長編も折を見て読んでいこうと思います。
カドフェル、好きです。

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トロール・フェル〈下〉地底王国への扉
トロール・フェル〈下〉地底王国への扉
  • 発売元: あかね書房
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2005/02


(2012年感想59冊目)

キャサリン・ラングリッシュ 著 金原瑞人 杉田七重 訳
おすすめ度★★★☆☆(3・5くらい。一気に読ませてくれる作品でした。)

「だけど、それじゃあ、あたしたちじゃなくなっちゃうわ!」
ヒルデがぎょっとしていった。すっかりとりみだして目をきょろきょろさせている。
「人間として考えられなくなるんなら、あたしたちは人間じゃなくなっちゃう。心はトロールになってしまうのよ!」(p192)


ラングリッシュのトロール・フェル下巻。更新は間が空いてしまいましたが、実質には上下巻合わせて一日で読んでしまった作品です。
正直、北欧を舞台にしているという点以外あまり好みの作品ではないのですが、それでも一気に読ませられる面白さと読みやすさと勢いがありました。ラングリッシュがうまいのでしょうね。

下巻はいよいよトロールの地底王国で結婚式が行われます。はたしてペールとヒルデの運命やいかに……!?

上巻から、世界名作劇場みたいだなあと思っていたのですが、下巻もまさにそんな感じです。といっても、上巻がペールが不幸でかわいそうだったのに対し、下巻はペールも幸せになりめでたしめでたしで終わるのもよかった。本当に最後はハッピーエンドで、そこがまたいい。上巻であきらめかけた人も、最後まで読んでほしいなと思いました。

こういった話にしては珍しく、恋愛要素も控えめなのが意外でした。ペールとヒルデはあくまで友人だし、最後も一緒に暮らすことになっても、それはあくまで家族としてである……。
でも、これからの発展を十分に感じさせられて、そういうところはいいですね。
この作品、トロール・ミルという続編もあるっぽいいので、ちょっと気になります。機会があったら読んでみようかな。その時は、二人の関係性の変化に期待したいと思います。ヒルデが強くて、とても素敵なんですよね。ペールも頑張ってたけど、ヒルデのほうがより一層頑張ってたと思います。

なにか今までとちょっと変わった児童書が読みたくなった時にお勧めの一冊です。

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トロール・フェル〈上〉金のゴブレットのゆくえ
トロール・フェル〈上〉金のゴブレットのゆくえ
  • 発売元: あかね書房
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2005/02


(2012年感想58冊目)

キャサリン・ラングリッシュ 著 金原瑞人 杉田七重 訳

おすすめ度★★★☆☆(3・5くらい。北欧神話の香りただよう一作。)
 

「そうなんだよ、ヒルデ。やつはあれがほしくてたまらないのさ」
ラルフがうれしそうにいった。
「トロールの宝なんだ。父さんに幸運を授けてくれるんだ!」
「授けるのは不幸のほうよ」(p51)


図書館で、どうにも気になって借りてきた一冊。ラングリッシュの処女作です。

ペール・ウルフソン少年は、父親を失った。葬儀の日に、意地悪な双子の叔父が、ペールを引き取りに来て、そのまま連れて行かれた。
意地悪なバルドルとグリムの叔父兄弟は、ペールをさんざんこき使い、その一方で、何やら企んでいるらしく……。
トロールの結婚式!? でも、それって自分に何の関係があるのだろう……。
ペール少年の物語の始まりです。

何より、ペールがかわいそうというか、不憫というか、とにかくおじさんたちが本当に意地悪です。乱暴で、強欲で、怠け者で……。
物語も、おじさんたちと同じくらい乱暴なものを感じます。それでも、ペール少年とトロールのことが気になって、一気に読んでしまいました。
どこか暗い雰囲気はあるものの、読みやすい1冊です。まあ、児童書コーナーに置いてあった1冊なので、なんというか、世界名作劇場とか、そういったものに近いノリを感じますね。

最初は、とにかくペールが不憫で、このまま続くのかと思ったら、少女ヒルデの登場によって、救われた気持ちになります。そんなヒルデとともに、ペールはトロール王国に奴隷として差し出されてしまうのか!? 非常に気になる処で終わっているのも憎いですね。

また、この物語の特徴は、登場人物の多くが北欧の神話やサガなどから名前を付けられていることでしょう。
ヒルデ、エイリク、バルドル、ロキ、などなど……。
これだけで、一気に物語が神話のように思えてくるから不思議です。

とにかく、一気に読ませる力のある作品だと思います。
トロールは不気味だし、家に住む妖精ニースやグリーンティースなどといった妖精たちもどこか不気味で、魅力的です。
なんとも北欧の香りがただよう一冊。
北欧が好きな方なら、読んでみるのもありかな、と思いました。

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フェアリー・レルム〈1〉金のブレスレット
フェアリー・レルム〈1〉金のブレスレット
  • 発売元: 童心社
  • 発売日: 2005/06

(2012年感想57冊目)

原題 The Charm Bracelet
エミリー・ロッダ 著 岡田好恵 訳 仁科幸子 絵
おすすめ度★★★★☆(女の子にはとってもおすすめの1冊です)

青い満月 うかべば歌え
歌えや歌え 人魚たち
エルフやピクシー 馬たちよ……


「デルトラ・クエスト」やリンの谷のローワンシリーズで有名なエミリー・ロッダさんの別シリーズもの。
小さな女の子向けのロマンチックなファンタジーです。

おばあちゃんのジェシカがけがをして寝込んでしまった! おばあちゃんと同じ名前をもらったジェシカ(ジェシー)は、おばあちゃんの代わりに、おばあちゃんが大事にしていたブレスレットを探し出すことに。そうして、おばあちゃんの大変な秘密を知ってしまって!?

というようなお話。

これは、面白かったです!
小さな女の子向けのファンタジーと書きましたが、大人でも十分通読に耐える面白さがあります。とにかくふわふわ、キラキラとしていて、とってもロマンティックな一冊になっています。
このシリーズはロッダさんの著作の中でも子供向けすぎるかなあと勝手に思い、読むのを敬遠していたシリーズでしたが、もっと早く読めばよかったです。とても面白い。

何より、エルフやピクシー、人魚、しゃべる美しい馬、妖精の世界の女王様などが出てきて、とても幻想的です。
でも何よりもロマンティックで幻想的なのは、おばあちゃんとおじいちゃんの恋でしょう。こういうラブロマンスに弱いのですよね。とても素敵でした。

物語自体は、簡単で、読んでいて展開も見え見えなのですが、それをおいても面白かったです。
何よりもフェアリー・レルムや、ブルームーン館や、おじいちゃんの描いた妖精の絵など、出てくるものがとにかく幻想的で、美しいのです。ロッダさんは多彩な作家だなあと感じてしまいました。

読んだ後には、続きも読みたい! と思ってしまった1冊。ジェシーはこれから、もらったブレスレットにどんな思い出を刻んでいくのか、とても楽しみです。

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アーサー王の剣
アーサー王の剣
  • 発売元: ほるぷ出版
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2003/09/15

(2012年感想56冊目)

原題 King Arthur’s Sword
エロール・ル・カイン 作 文 灰島かり 訳
おすすめ度★★★★☆(いろいろな解釈が面白い一冊です)

いくさのときには、アーサー王を守る盾となり、敵の矢がおそってくると、まわれ右をさせて、敵をたおしました。


イメージの魔術師と称される絵本作家、エロール・ル・カインが初めて書いた絵本です。そしてタイトル通り、アーサー王の魔法の剣、エクスカリバーにまつわる物語です。

ル・カインの描く想像力と創造力豊かな絵もとっても素敵だったけれど、この本に描かれるエクスカリバーがとても面白くて魅力的です。トラディショナルな部分を踏まえながらも、エクスカリバーが傘になったり爪楊枝になったり、アーサー王の望むものになってしまう魔法の剣なのが素敵。

ル・カインの絵は、ちょっと好みが分かれるかもしれませんが、私はとても好きです。男の人には男の人の、女の人には女の人の色気みたいなものがきちんと描かれている絵で、不思議な感じです。
ル・カインの青の使い方も好きだな。

物語は、非常にオーソドックスなのですが、アーサー王の望むものになんでも姿を変えるエクスカリバーと、アーサー王を憎むゆえにその剣を奪おうとするアーサー王の異父姉、モルガナ・ル・フェの陰謀なども描かれており、絵本が語る物語としてもしっかりしていていいですね。
小さい子供のみならず大人も、こういう本を読んでアーサー王伝説に触れてくださったら楽しいだろうなあ、と思いました。
個人的にはこの本に出てくる、湖の姫が好きです。
とっても神秘的な感じが、まさしく伝説に出てくる魔法の貴婦人という感じで、ル・カインの描く絵も素敵でした。
これはル・カインの処女作らしいので、ほかの絵本も読んでみたくなりました。
面白い絵本だと思います。気になる方はぜひ読んでみてください。


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