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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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マユリ
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女性
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Since2010.11.26
総読書感想数 430

読書と音楽とゲームとおいしいものと人形をこよなく愛する多趣味な人間です。
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幻魔の虜囚 (1983年) (ハヤカワ文庫―FT)
  • 発売元: 早川書房
  • 発売日: 1983/04


(2012年感想99冊目)

原題 Volkhavaar
タニス・リー著 浅羽莢子 訳  
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい。タニス・リーらしい物語です。)

「行きます」シャイナは言った。
「夜はじきに終わって?」ウォーナが尋ねた。闇に置かれた子供に一瞬戻って。
「どんな夜も」シャイナは言った。「いずれは明けます」(p268)



大好きな作家、タニス・リーの初期の長編です。原題はそのものずばりのVolkhavaar(ヴォルクハヴァール)
登場人物の名前がそのままタイトルになっているタニス・リーの小説も珍しいかも??
この物語はカーニック(実はヴォルクハヴァール)の旅の一座の看板役者、ダジエルに恋をした奴隷娘シャイナの物語ですが、タイトルになるだけあって、このヴォルクハヴァールが、すごい存在感を放っています。
なんといっても、その生い立ちが丸々一章分を使って描写されるさまは圧巻。そのおかげで、最後の方なんて、ヴォルクハヴァールは悪い奴のはずなのに、なんだか哀れが先立ってしまって、ヴォルクハヴァールに感情移入してしまいます。
そうして、シャイナが想い人を救うというストーリーは、この本の中ではあまり主格をなしていないのです。
この本で語られているのは、愛であり、愛の変容と愛を受け入れることにあるかと思います。しかし、愛と憎しみが一体であるように、作者が語るように、愛とは円であり輪なのです。
物語自体も、ダジエルとシャイナが最後結ばれることなく別々の道を行ったのも印象的。でも、私はこの終わり方も好きだな。シャイナがダジエルを愛さなくなったわけではないのだし。
あと、忘れちゃいけないのが不器量な王女ウォーナの存在。彼女が愛猫と戯れる描写とか、徐々に成長していく様子とか、正しくおとぎ話の典型という形です。
タニス・リーの独特の美文体と、浅羽さんの翻訳も相変わらず素敵です。久しぶりに読むと、タニス・リーと浅羽さんのコンビは、自分の海外FT好きのきっかけの一翼を担っているので、読んでいて読書する楽しみが湧き上がってきました。充実した読書時間でした。
冒頭に、「愛とは輪である。輪には終わりがない」とロシアの諺が引用されていますが、正しくそんな感じの、濃厚で、タニス・リーらしい一冊でした。おすすめ。「平たい地球」シリーズもまた読みたくなってしまいました。

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春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
  • 発売元: 東京創元社
  • 発売日: 2004/12/18



(2012年感想98冊目)


米澤穂信 著 片山若子 表紙絵  
おすすめ度★★★★☆(小鳩君と小山内さんのコンビが癖になってきます。)

「一朝一夕には上手くいかないさ。すぐに完璧にやろうなんて、ぼくたち、ちょっと短気すぎたんだ。がんばろう。じっくりやっていこうよ」
諦念と儀礼的無関心を自分の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を。(p243)



米澤穂信さんの学園ミステリ、「小市民シリーズ」の第一巻。
「羊の着ぐるみ」「For your eyes only」「おいしいココアの作り方」「はらふくるるるわざ」「狐狼の心」の5編の短編を収録しています。
学園ミステリで、分類としては日常の謎系のミステリになります。連作短編で、各章ごとの謎はもちろん、全体を貫く謎が用意されてるのも嬉しいですね。こういうの好きです。
さて、主人公の小鳩常悟郎君と小山内ゆきさんは、過去のとある出来事から(この巻では明らかになっていません)目立たない小市民になろうという誓いを立てたぴかぴかの高校一年生。果たして、二人は小市民になれるのか!? というお話です。

最初は、読むスピードが遅かったのですが、さすが米澤さん、後半になるにつれて読むスピードが早くなり、最後は止まりませんでした。つまり、後半になればなるほど、面白かったです。小鳩くんの語り口も面白いし、ふたりの明らかにされない過去も気になるで、どんどん読み勧められます。最初は二人共なぜ小市民にこだわっているかがわからず、得体がしれなかったのですが。
キャラクターも魅力的で、氷菓もアニメ化されたし、次はこれもアニメ化されるんじゃないかなあと思える程に面白いシリーズでした。
小山内さんの本性はちょっと怖いけれども、小山内さんの過去も気になる。小鳩くんの昔を知る友人の堂島健吾もいいですね。彼がまっすぐ小鳩くんを昔のお前は嫌な奴だったが嫌いじゃなかった。と言ったシーンは印象的でした。
次の巻も気になるので、早速読書してみたいと思います。おすすめの一冊です。
美味しそうなお菓子とか洋菓子屋さんとかが出てくるので、読み終わったあとにケーキバイキングとかに行きたくなったのは秘密です。でも、表紙も題名も可愛らしくて、そんなところがお気に入りです。中身はそんなに可愛くないところがいいのですね。


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イスカンダルと伝説の庭園
イスカンダルと伝説の庭園
  • 発売元: 徳間書店
  • 発売日: 1999/12


(2012年感想97冊目)


ジョアン・マヌエル・ジズベルト 著 宇野和美 訳  
おすすめ度★★★☆☆(影がさしながらも、美しい物語です。)

「(中略)詩は、美しいだけでなく、真実の光も宿すものだからな。命をかけて、真実を求めようじゃないか」(p138)


イスカンダルに関する本を探していた時に目にした本。
この本に出てくるイスカンダルは架空の建築士でしたが、それでも彼が作り出す庭園にうっとりしながら読みました。
アルイクシール王は、建築士イスカンダルに、この世の美を極めた庭園を作るように依頼します。しかし、庭園が完成したとき、アルイクシール王はイスカンダルを……。
というようなお話です。(全然わからないかもしれないですが……)

美しい庭園の描写、美しい詩に彩られた文章、叙情性にあふれる描写の数々……。全体的に、影がさしながらもとても美しい物語で、特にイスカンダルが作り出した庭園の描写は秀逸です。うっとりする。
物語の展開も二転三転して、薄い本なのですが、後半は一気にページをめくってしまいました。面白かったです。
しかし、創造者の最も大事なものはやっぱり自由なのだなあと思った次第です。登場人物は皆、何かを生み出すことに執念を燃やす人ばかりというのも、印象的でした。
自由を奪われながらも、創造し続けたイスカンダルの執念というかエネルギーというかは、すべての創造者に共通する部分だと思います。やっぱり創造者は、生み出さなければならないのですよね。
独創性とかはあまりない、どちらかというと安定感のある物語で、非常にクラシックな感じのお話で私は好感です。もし図書館などで見かけたら、手にとってみるといい一冊かもしれません。

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魔女と金魚
魔女と金魚
  • 発売元: 幻冬舎
  • 発売日: 2010/06



(2012年感想96冊目)


中島桃果子 著  
おすすめ度★★★★☆(不思議な本。自信をなくした時に読むといいかも?)


ああ、誰か。
「外は雨だね」
と言う前に、泣いているのですかと、
それすら訊かずに、そばに座って。(p9)



友人が読書していて、私も題名が気になって図書館で借りて読書しました。
一言で言うなら、不思議なお話かな。ファンタジーで現実しているような、現実でファンタジーしているような、夢の中で冒険しているような、そんな気分になれるお話です。

題名から受けるお話の印象とは全然違うのでびっくりです。
お話自体はファンタジーなんだけど、そこに描かれてる恋愛模様はなかなかにリアルで、逆にその要素のバランスが絶妙で面白かったかな。
シュートという美少年がもっと出てくるのかと思ったらそんなことなくて、結局これは主人公の繭子と要の話に終始してる感じです。要は結構好きだから良いのですが、シュートとの絡みがもっとあるのかなと思っていたのでちょっと残念。
ただ、恋愛ものなのですが、なかなかファンタジックですごく好みです。

なかなか独特の文体で書かれているので、最初読むのが苦労しました。途中で放り投げるかな? とも思ったのですが、慣れてくると面白く、一気に読みます。この独特の文体と世界観も、読み終わった時には好きになれるはず。
主人公たちが暮らす街が、タロットを模した街というのもツボでした。ファンタジーだけどSFっぽい要素もありますね。
主人公の自信のなさと愚かさが読んでいていとおしくなる。その主人公が最後頑張って、ちょっと自信を取り戻すところが、なんだかいいです。ちょっと自信をなくした若い女の子とかに読んで欲しい本。一般本だけど、ヤングアダルトと言われても違和感ないかも。
金魚が象徴的な使われ方をされていて、なんというか、日本人だから書ける話だなあと思いました。独特の文体は正しく現代小説といった感じですが、面白かったです。


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ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
  • 発売元: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2011/03/25



(2012年感想95冊目)


三上延 著  越鳥はぐ イラスト
おすすめ度★★★★☆(個人的には可もなく不可もなくといったところ。でも続巻も読みたい。)


「わたしは、石段から突き落とされました。この二ヶ月、その犯人をずっと捜しているんです」(p216)

本屋大賞にもノミネートされた話題のラノベ、「ビブリア古書堂の事件手帖」
普段はあまり話題の本は読まないのですが、この本は図書館で半年待って借りてきました。今更感があるかもしれませんが、読めて良かったです。
何より、この表紙が素敵すぎます。

北鎌倉にひっそりと店を構えるビブリア古書堂。そこに本を持ち寄ったことがきっかけで、店員として働くことになった五浦大輔。店長の篠川栞子は、並外れた推理力で、奇妙な客たちと古書にまつわる謎を解き明かしていく……。
というようなお話。

個人的には可もなく不可もなくといったところなのですが、本に対する愛情と、丁寧に描かれる物語には好感を覚えます。大輔くんはあまり個性を感じさせない人物という感じで、一人称の物語としてはこれくらいがちょうどいいのかも。栞子さんは超内気な美少女ということで、キャラ造形的に狙いすぎてる感じに思えますが、所々に挟まる二人の微妙な距離感は、思わずにやりとさせられてしまいました。
いわゆる日常の謎系ミステリなのでしょうが、栞子さんは基本安楽椅子探偵だし、結構やり方が過激な部分もあるので、なんというか最終話では特に黒い印象を受けました。
というかこの話、短編集なのですが、どの話もなかなかにビターというかブラックで、そのあたりがラノベよりちょっと読者の幅を一般向けにしているように思います。

とにかく、栞子さんや大輔くんより、周りの人物の方が魅力的に見えてしまう作品でした。
ミステリとしても、どれも薄味かなあ。
とはいえ、出てくる古書はどれも読んでみたいなあと思わせる作品ばかりで、やっぱり本好きとしては引き込まれる作品でした。
特にお気に入りの話は、『論理学入門』と『落穂拾い・聖アンデルセン』でしょうか。坂口夫婦はよかったです。
次回作も読んでみたい一冊です。

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