石川宏千花 著 藤田香 表紙絵
お勧め度★★★★☆(とにかく最後がしんみりします)
ユリエルとグレン最終巻。
とにかく、良い本に出会ったなーという印象です。
時代の流れからバンパイアに対する迷信などが薄れ、バンパイア・ハンターやそれらを扱う機関<区分X>の廃止などを求める風潮が出来上がった。
せっかく自分らしい生き方をバンパイア・ハンターに見出し、ウォーベック家で心穏やかな生活を送っていたのに…。
グレンは自分自身をバンパイアの証明とするべく教皇庁に乗り込む。
しかし逆にとらえられ、処刑されてしまうことに…!
という話。
初めのころは物語の展開も登場人物もちょっと強引で、ひやひやしていたのですが、中盤からラストに至るまでの流れはお見事でした。
今をともに生きると前向きに決意しながらも、いつか来る別れの時に思いをはせ悩む兄弟。それでも彼らは最善の道を見つけようと努力します。
登場人物は、ユリエルとグレンをおそったバンパイアたちも含めて、バンパイアという存在に対してそれぞれの視点から様々な思いを抱えています。
その想いが、ゆっくり溶けて行くように、ある意味では昇華されていくのが、読んでいて、ああ、この物語を読んでよかったなぁという気持ちになります。
設定や世界観はとても非現実的で荒唐無稽なのですが、そこに描かれる登場人物の心情は真に迫るものがあります。
シリーズ全体の評価は4・5くらいです。
お勧めです。ぜひ三冊まとめて読んでみてください。
以下こまごまとした感想。
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・作中で一番おいしいのはトリストラム神父だと思いました。
兄弟の叔父で、テレンスの相棒で、バンパイアのアイオネとも仲良くなって改心させるって、超頑張ったよね。
・最後のシーンはちょっとうっかり感動してしまった。
親子ほどの身長差になっても肩を寄せ合う兄弟…。
いつか別れることになるけれど、それが今じゃなくて本当に良かった…!
・とにかくお勧めのシリーズです。うっかり地元の図書館のティーンズ・コーナーにもお勧め本として紹介してしまいました。
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