- 銀のキス
- 発売元: 徳間書店
- 価格: ¥ 1,470
- 発売日: 2001/03
(2012年感想52冊目)
原題 The Silver Kiss
アネット・カーティス・クラウス 著 柳田利枝 訳
おすすめ度★★★★☆(不思議な雰囲気に引き込まれてしまいます)
「だが死はやってこない」サイモンはつぶやいた。「おれには死がない。愛がやってくるはずがない」(p90)
図書館で見かけるたびにずっと気になっていたお話。やっと読むことができました。
末期がんの母親を持つゾーイ。仲の良い親友のロレインは遠方へと引っ越しが決まっています。変わっていくことを恐れるゾーイと、変わることなき生を生きる吸血鬼の少年サイモン。二人が出会ったとき、二人にちょっとした変化が訪れます。
この話はよかった!全編にわたって、死というものが不思議な感覚や雰囲気とともに香り立ちます。思わず、読んでいて引き込まれてしまいます。
死を身近に感じながらも実感できないゾーイ。死ぬことができない吸血鬼の少年サイモン。二人は決定的に違うようで、お互いに死について思いをはせている。だからこそ惹かれあう二人。とっても納得できました。
物語はサイモンの悪い兄クリストファーを交え、最後は彼に立ち向かっていくことで終わりに向います。
そのあと、サイモンが自分自身に下した結末がよかったです。ラストシーン、好きです。
吸血鬼の描写としては、非常にクラシックな感じの描写で、逆に好感が持てました。サイモンが吸血鬼であるとあまり明言されていないところもいいです。非常に作品の幻想的な雰囲気とマッチしています。
何とも言えない幻想的な雰囲気が作中に漂っている作品です。そうして、いろいろなことを考えさせてくれる良書だと思います。
ゾーイの書いた、「死にあらがうための呪文」読んでみたかったです。
いろいろと後を引くお話で、再版された原書には後日談と前日譚がついているとか。ちょっと気になります。
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