涼原みなと 著 岩崎美奈子 絵
お勧め度★★★☆☆(3・5位。地味ながらも悪くはない感じです)
「……しかし。将来を嘱望される光道僧殿の初任地として、このアルバニノは分不相応ではありませんか?」
ヴィンガルもまだ、リュートガルトの横顔を見つめていた。その視線を充分に感じながら、リュートガルトは厳かな微笑を浮かべる。
「分不相応なことなどありません。バールの恩寵の光は、エデインすべてをあまねく照らしております」
書店で見かけて、なんとなく気になっていたもの。なんとなく、いま読んでた「足のない獅子」みたいな感じかなあと思った第一印象です(絵も同じ人だし)
優秀な学僧のリュートガルトは、高位の僧の資格である光道僧の資格を取りながらも、自らが招いた不祥事により田舎に左遷される。
その赴任した田舎で殺人事件が発生。同じく赴任してきたばかりの群長官イシン・ハガイに見込まれ、ともに捜査に乗り出すが……。
というような話。
個人的には雰囲気とかはすごく好感が持てる作品です。
しかし、いまいち地味だなあと感じてしまう作品でもありました。筆があくまで淡々と進む感じなので、感情移入ができないのかも知れません。
それでも、リュートガルトの女好きぷり(つまり破戒僧ぷり)と猫かぶり具合、しかしそれでありながら生きるには不器用で、心の優しい姿などは好感が持てます。
この話は本編が始まる前の列伝というか序章みたいな感じらしいので、世界観はよく練られてそうな奥行きを感じます。個人的には本編までなんとか刊行してほしいなあ。
推理物としてはあまり期待できない(というかしてはいけない)ので、そういうのを期待してる方は要注意です。個人的には、この地味な感じも含めて、好きな作風ですし、出版社的な色も出てると思うので、いろいろ言いながらも好きなんですけどねえ。
リュートガルトは最後旅に出ましたが、これから本編に出てくるのはリュートガルトとハガイどちらだろうか。
リュートガルトのいろいろな面を見てみたい気がするので個人的にはリュートガルトに出てきてほしいけど、出生的にひきがあるのはハガイさんだろうか。
なにより、この一冊だけで評価するのはもったいないシリーズだと思うので、次回作に期待。
どうでもいいけど、リュートガルトが男に襲われる設定は要らないと思いました。うん。
こういった雰囲気やあらすじに惹かれるものがある方は、読んでみても損のない一冊だと思います。
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