米澤穂信 著
お勧め度★★★★★(とにかく雰囲気が好みで、大変お勧めできる一冊です)
『折れた竜骨。ニコラ、ヨーロッパのどこかでそう聞いたら戻ってきて』
米澤さん初読です。この本は方々で評判がよく、大変自分好みの雰囲気の作品だったので読んでみました。
これはとても面白かった! 何より雰囲気が良いです。
中世のイングランドを舞台にしていて、そこには魔術が存在し、呪いも存在する……。
魔術はすぐそばにあり、でも人々に恐れられている暗い時代。波音が絶えず聞こえる島で起きる事件。たまりません。
語り手は領主の娘のアミーナ。探偵役は騎士であり魔術師でもあるファルク・フィッツジョン。助手は従者のニコラ・バゴ。この3人を中心に、呪われたデーン人のトーステン・ターカイルソン、マジャル人の女傭兵ハール・エンマ、サラセン人の魔術師スワイドなど、個性豊かで一癖も二癖もある登場人物が活躍します。
私のお気に入りはファルクとトーステンですね。
ファルクは理知的で落ち着いた様子がなんとも格好良いし、何より探偵で魔術師で騎士という、ファンタジーの髄を集めたような設定が良いです。最後に関係者全員を集めて犯人を暴くという儀式をしてくれるところも、なんとミステリ心をくすぐることでしょう。本当に恰好いいです。
トーステンはアミーナとの友情と、最後に見せたアミーナの侍女ヤスミナとの交流が好き。エンマも含め、彼らの行く末に幸がありますようにと願わずにいられません。
あと、活躍は少なかったですが、吟遊詩人のイーヴォルド・サムスと従騎士のエイブ・ハーバードも、実直な人柄が出ていてお気に入り。
とにかく、ファンタジーとミステリが融合したような作品で、その独特の雰囲気がたまりません。
登場人物も一人ひとりが個性的で見せ場があり、この1作品にとどまらず、もっと活躍を見せてほしい人ばかりでした。続編があれば読みたいなと思います。
ミステリとしては、途中でなんとなくわかっちゃう(というか丸わかり?)感じもするのですが。まあ、楽しんだもの勝ちですね。
そもそも、犯人が読者にわかってしまうことが、この作品での一番の驚きとか、読むべきところではないと思うので。
とにかく、久しぶりに、自分の中ではとてもヒットしたミステリ作品です。
ミステリとファンタジーが両方好きな人には特にお勧め。魔法の設定がしっかりしていて面白いのですよ。
文庫に落ちたら、是非購入したい作品です。
にほんブログ村
[0回]
PR