原題 Rowan of Rin
エミリー・ロッダ 著 さくまゆみこ 訳 佐竹美保 絵
お勧め度 ★★★★☆(勇気をもらえるファンタジー。)
「ぼくは、もっとも勇敢な者じゃない。なにもかもが怖いんだもの! 怖くて怖くてしょうがないんだよ!」
同じ作者のデルトラ・クエストの続きが貸出中だったので、こちらのシリーズを借りてみました。
2000年初版で、2005年の時点で30版となっていました。おそらくまだまだ版を重ねているでしょうから、本当に人気のシリーズなんでしょう。そういえば、うちの高校の学級文庫にもあったような……。
ある日、リン谷の暮らしを支えていた川の水が止まってしまいます。このままでは、生活を支える重要な家畜のバクシャーが死んでしまい、やがて人々も死んでしまうでしょう。
川が止まった原因は、竜がいるという山の上にあると思われ、勇敢な村人たちは誰も踏みはいったことのない山の上に入ることに。
しかし、バクシャーの世話係であり、村で最も怖がりで臆病者と思われているローワン少年も、自分の意思に反してこの一行に加わることになり……??
勇気とは、勇敢であることとは一体どんなことなのか、そんなことが示されるファンタジー小説です。
リン谷の人々は勇敢な人々で、その中でも怖がりな臆病のローワンは、時に人々だけでなく母親さえも失望させてしまうような少年です。
そんなローワンが、山への冒険を通して少しずつ成長していく……。
山に探索に向かうのはローワンも含めて全部で七人。そのうち7つの道で7つの心が砕けると予言されます。
その言葉の通り、彼らは一人、そうして一人と山への道を脱落していきます。
と言っても誰一人死ぬわけではないから、安心して読める本だと思います。
「本当の勇気とは、怖いと感じながらも進んでいくことである」とこの本は読者に言います。
我々は、日常でそんな勇気を持てているかなあ、と考えさせられる本です。
何かにつけて言い訳して、「できない」とか「無理」とか言ってしまいそう。
そんなことを思いました。
著者エミリー・ロッダの素晴らしいところは、多くないページで、無駄を省き、それでも登場人物を活き活きと活躍させられること。この本にも実に多くの人が登場しますが、読み進めるうちにキャラクターに愛着が持てると思います。
私が好きなのは<旅の人>との混血の青年アランかな。
こう、人がだれでも持っているコンプレックスとか、負の気持ちとかに、非常に共感させられました。
安心して読めるし、お勧めの一冊です。
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