高里椎奈 著 ミギー 絵
お勧め度★★★☆☆(お話的には悪くないんだけど……)
「勇者の資質って奴だ。まあ、普段はただの抜けた坊ちゃんだからな。上手いこと、死ななければの話だけど」
フェンネル大陸の新シリーズ。前シリーズが個人的には憤慨して本を投げつけたくなる気分を味わったのですが、シリーズを途中で放り投げるのが気持ち悪かったのと、やっぱり続きも気になる部分があったので読みました。
個人的には、お話の展開が上手くなったかな…、という印象でした。物語としては素直に面白く、先が気になったのでついつい一気に読み進めてしまいました。
お話としては、ソルドから、サチが「誘拐されるみたいなもん」といって行くことに決めたリムナンテスという国に「私が行きたいって決めたから行くの!」といったような、やっぱり薄っぺらいなー、フェンと思うような理由で旅に出ます。
そこは代々革命運動が活発に認められた国で、フェンとサチとテオは半ば強引に革命派に組み込まれ、王を倒すために活動する……という話。
私がこのシリーズを好きになれない理由の一つは、主人公を始め登場人物が薄っぺらく感じるから。それなのに主人公のわがままにも無計画にも思える突拍子もない行動がきっかけで、全てが丸く収まって、どんな過ちを犯した人も死ぬことなく許されてしまうから。
しかもフェンは世間知らずで自分でたいして物を考えないのに我だけは強くて、銀の髪という珍しい外見だけでなんかやたらと人から好かれるところ。
全部全部、都合良く見えるんですよね。
それでも今回は、まあ読める感じに楽しかったかな。題名にもなってる草原の勇者が好みだったからかも知れません。たぶんキャラに愛着が持てるとすごく楽しいシリーズで、逆の人にとっては微妙になってしまうのでしょう。
今回はサチの旅の目的が少しだけ明らかにされました。
弟探しですかー。なるほど。
あと、フェンが以前兄に抱いていたような信頼という好意をサチに抱いているという唐突な事実。あなたいつの間にっ!
今回のシリーズは、今まで以上にサチとフェンの物語になるんでしょうね。
全ての見聞きすることのために旅をしているというフェンですが、ならなぜこの物語を旅行ものとかにしないで、無理やり戦記物っぽくしたんだろう。もっと静かなロード・ファンタジーだったら、さらに面白かったと思うんだけどな。
あ、お話としては悪くないです。ただ、どうしてもちょっとだけ残念です。
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