冴木忍 著 鶴田謙二 絵
お勧め度★★★★☆(味わい深い佳き短編集です。)
「志は立派だが、現実は厳しい。道士というのは、人間の醜い面を正視する仕事だからな。狡さ、醜さ、おぞましさを見て、やがて君も知るだろう。人間こそが魔物だということを」道士リジィオの4冊目。そして現在では刊行されているシリーズ最後の巻です。
この巻には、「久遠の微笑」「眠れぬ夜の……」「月の痕」「虹色の封印」「刻の静寂」の五編を収録。
「虹色の封印」にはルーチェンやリジィオの兄弟子などが出てきます。
今回の話はどれも、しんみりとした味のある雰囲気なのがいいですね。
まさに冴木さんの得意なお話と言ったところでしょうか。
お話の長さも50ページくらいの物がほとんどで、よくまとまっています。
相変わらず人間の怖さみたいなものが書かれていますが、それと同じくらい人は優しくなれるものなのですね。
個人的には、シザリオンのお兄さんが出てきたり、スティンの過去が明らかになったりする「刻の静寂」はお気に入りです。
お話的にいえば、「虹色の封印」もなかなかいいですね。
この話、もう10年以上新作が出ていないことが残念でなりません。とてもいい話だと思いますし、今読んでも色あせない話だと思うので、ぜひ新作が出てほしいなぁと思います。
まあでも連作短編なので、長編の作品ほど、「続きが気になる!」って感じではないのですが、もっとリジィオの活躍がみたいなー。
それにしてもスティンってこんな顔してたのか……。(挿絵より)
イメージとかなり違って驚きました。
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