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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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さいはての島へ―ゲド戦記〈3〉 (岩波少年文庫)
さいはての島へ―ゲド戦記〈3〉 (岩波少年文庫)
  • 発売元: 岩波書店
  • 価格: ¥ 798
  • 発売日: 2009/02/17

原題 The Farthest Shore
アーシュラ・K・ル=グウィン 著 清水真砂子 訳
お勧め度★★★★★(王子アレンの成長と、それを見遣るゲドの眼差しが素晴らしいです)

「今や、アレンの奥深いところで眠っていたものが目を覚ました。それを目覚めさせたのは遊びでもなければ夢でもなかった。それは人に対する敬意であり、迫りくる危険であり、そして知恵だった。傷跡の残る顔と、静かな声と、無造作に杖を握る黒い手だった。(中略)子どもから大人への第一歩は、いつも、こんなふうに、なんの準備も警告もなしに、過去を振り返ることも、未来を思うこともないままに、ある日まったく突然に踏み出されるものだ。 」

ゲド戦記3冊目。ジブリで映画化されたのは、このあたりのストーリーですね。
2巻から20年以上の時がたち、ゲドはすでに壮年の男性です。
身体は衰え、いかな大賢人であっても、われわれと肉体的には変わることはありません。それは少し悲しいことだけれども、同時に何かとても安心します。
17歳の王子アレンはゲドに、世界の異変を伝えに訪れ、彼に抱いたほとばしるような敬愛の念から、そのまま旅に供として付いてきます。でもこの旅はアレン自身の旅で、供なのはゲドなのかもしれない……。

最初は敬愛するゲドに声をかけられ有頂天だったアレンが、ゲドの背負う苦しみを共に背負う事で本当の尊敬と愛情を学び、最後はゲドを背負い、最果ての島で誰に祝福されるでもなく勝利とは何であるかを知り、それを手にする…。

このアレンの成長が、この巻では一番の魅力だと思います。
もちろん、ゲドは奥の深い話で、その一語一語をかみしめて読んでしかるべきものだと思っています。だから、再読したらまた別の魅力に気付くかもしれません。
とにかく、この作品は、暗闇の中の岩から湧きいずる泉のような、そんな喜びと感動をもたらしてくれるものだと思います。
アレンも指摘した通り、ゲドはめったに魔法というものを使いません。でも、本当の魔法使いとは、魔法の何であるかを知り、それを乱用しないものなのかもしれないですね。

とにかく、とても感動した一冊でした。

それにしても、アレンのレバンネンって名前は、ナナカマドって意味だったのか……。

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