ひかわ玲子 著 橋賢亀 表紙絵
お勧め度★★★★☆(少女の目から語られるアーサー王物語です)
「キャメロットの鷹よ、君が王の傍らにいてくれる、と思うと、こうして追放の身となって、この地を離れなければならないとしても、いくらか、心が軽い。どうか、アーサー王をあらゆる災厄から守ってほしい 」
ひかわ玲子さんによるアーサー王物語。アーサー王のお話は色々な作者によって書かれていますが、この話の一番の特徴はフリン(兄)メイウェル(妹)という、魔力を持つ双子の視点から語られることでしょう。
話の内容としては様々な陰謀が渦巻き、近親相姦で生まれた不義の子とか、色々どろどろとしたお話しが展開されるのですが、それが柔らかい少女の視点からのお話しになるので、サー・ユウェインに対する淡い恋心とか、エレイン姫との友情とか、そちらの方がさわやかに描かれていて、あまり暗い印象は抱きません。
双子は鳥に変身出来る能力を持っていて、フリンは鷹に、メイウェルはミソサザイに変身します。
だからキャメロットの鷹というのはフリンのことだと思うのですが、ガウェインやユウェインも鷹という意味の名前だったと記憶しているので、この話はどちらかというとサー・ユウェインの物語かも。
とにかく、ほかの物語ではあまり脚光を浴びないユウェインが大活躍なので、なんと言うかそれだけでちょっと新鮮です。
あと、キャラクターの性格や人間関係の造詣が、ブラッドリーの「アヴァロンの霧」を彷彿させる印象を受けました。(モーガンもモーゲンって名前になってるし)
「アヴァロンの霧」が好きだった方には、お勧めの一冊かもしれません。
文章は非常にあっさりと読みやすいので、アーサー王を知らない、あるいは初めて読む方にもお薦め。
ユウェインとモーゲンの親子関係が、他ではあまり描かれない部分なので新鮮でした。
最後ユウェインは追放されるのですが、その時アーサーのわからずや! とか思いましたが、ガウェイン卿も一緒なので嬉しかったです。
やっぱり血縁って、色々どろどろともしますが、いいものですね。
期待以上に楽しめました。次の巻以降も楽しみです。
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