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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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マユリ
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女性
自己紹介:
Since2010.11.26
総読書感想数 430

読書と音楽とゲームとおいしいものと人形をこよなく愛する多趣味な人間です。
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(2012年感想108冊目)

スーザン・クーパー 著  浅羽莢子 訳
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい。キャラクターとウェールズの自然が魅力的)


「人間って複雑だね」と悲しげに言った。
「そうとも」(中略)「だがな、君らと君らの敵が戦いを終えたあと、ウィル・スタントン、最後に世界の運命を決めるのはまさにこういった人間なんだよ。」(p157)



「闇の戦い」シリーズ三作目。
肝炎を患い、ウェールズの親戚のもとに療養にきたウィルに、闇の魔の手がのびようとしています。そうしてウィルはウェールズで、不思議な少年、ブラァンと出会い・・・。
といったようなお話です。

久しぶりに読んだけど、やっぱりこのシリーズは面白いです!
何気ない日常生活の中に忍び寄る「悪」の恐ろしさ、残酷さやそれに対する「光」の酷薄さが、なんとも良く描かれていますね。この、日常生活と溶け合ったファンタジィの描写に、心がとてもときめきます。

また、この巻から、今までその存在を匂わす程度だったアーサー王伝説の存在が、色濃く現れてきます。アーサー王伝説が好きなので、この展開は嬉しいです。
新しく登場した少年ブラァンも、なんと魅力的なことでしょうか。彼の正体(?)は割とすぐ想像がついてしまいますが、それでも胸震えるものがあります。
とにかくこのブラァンとウィルが魅力的で、あっという間に読み終えてしまいました。
しかしこのお話、あるいはシリーズ全体を覆う、えも言われぬ悲しみのようなものが、わたしはすごく心惹かれてしまいます。
カーヴァルを失ったブラァンの悲しみ、グウェンを失ったブラァンの父親の悲しみ・・・。様々な悲しみが本著には溢れています。そうして、そこがまたたまらなく良いのです。

またウェールズの風土や自然も魅力的な一冊となっています。いつか、ウィルたちの活躍したウェールズまで行ってみたいな、とそんなことを考えながら読書していました。
それにしても私にとってブラァンが魅力的すぎて、本当に愛おしいシリーズとなったのは間違いありません。次の最終巻では、ウィルやブラァンやドルー兄弟が加わって、またもや楽しめそうな一冊になりそう。読むのが楽しみです。
巻を追うごとに面白くなっていくシリーズだと思います。

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ライオンと魔女 (カラー版 ナルニア国物語 1)
ライオンと魔女 (カラー版 ナルニア国物語 1)
  • 発売元: 岩波書店
  • 発売日: 2005/05/27


(2012年感想105冊目)

原題:The Lion, the Witch and the Wardrobe
C・S・ルイス 著 瀬田貞二 訳 ポーリン・ベインズ 挿絵
おすすめ度★★★★★(雪に閉ざされたナルニアがとにかく幻想的です。)

アダムの肉、アダムの骨が
ケア・パラベルの玉座について、
悪い治世が終わるもの。(p99)


冬が近づくと、読み返したくなる本があります。
それがこのナルニア国物語です。
衣装ダンスの中をくぐり抜けたらそこは異世界だった。というのはあまりにも有名ですね。実際、次のシリーズ以降は衣装箪笥とは限らないのですが、とにかく、衣装箪笥というとナルニアへの夢とあこがれが広がる人も多いのではないでしょうか。原題も直訳すると、「ライオンと魔女と衣装箪笥」、ですしね。

ナルニアを初めて読んだのは確か大学生の時ですが、とにかくこの1巻の「ライオンと魔女」の雪に包まれた、静謐だけど鮮やかな世界にやられました。
そのナルニアにやってきた四人の兄妹、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィは、ナルニアを不正に支配する白い魔女に、ライオンの王アスランとともに立ち向かいます。

やっぱり、何度読んでもナルニアはいいですね。何度も読み返したくなってしまいます。
改めて読み返すと、登場人物それぞれに個性があって、人物のかき分けが本当にうまいと感じました。そうして、永遠に続く善と悪との戦いという構図が、鮮やかに描き出されています。
兄妹のひとりのエドマンドが、最初は悪い魔女に味方するという構図も、単純な善と悪の対比ではなく描かれていて、最初は愚かなこのエドマンドこそ、この巻で最も愛すべき登場人物の一人と言えると思います。
兄妹の長男で、責任感が強くしっかりもののピーター、優しくて現実的な姉のスーザン、ちょっと意地悪だけど、本当は誰よりも思慮深いエドマンド、正直者で純粋なルーシィ。この兄妹それぞれの性格や行動が、読んでいて自分もナルニアに迷い込んでしまったかのように錯覚するほど活き活きしています。

そうしてまた、彼らを助ける異世界の、人間以外の住民も素晴らしく息づいています。フォーン、ビーバー、セントール、そうしてアスラン。ナルニア国物語の影の主役は、この人間以外の住民たちかもしれません。
今回はカラー版を読みました。この挿絵がまた素敵で、想像力をかきたててくれます。
それにしても食べ物の描写がなんだか多くて、それらを想像するのも楽しかったです。冬になると、紅茶を横に置きながら、のんびりと読み返したくなる、そんな大事な物語です。

再読にあたって、多少思い出が美化されているなあと思う部分もありましたが、ナルニアの素晴らしさは色あせないと思います。本当に素敵な物語世界です。個人的には、死ぬまでに一度は読みたい本です。

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(2012年感想103冊目)

原題 Iron Daughter
ジュリー・カガワ 著 宮崎真紀 訳   彩 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(なかなかに切ないお話でした。面白かった。)

「さあね。ネバーネバーを出たとき、きみといたいってことしか頭になかった。そばにいてほしければいつでもそう言って」(p304)


ジュリー・カガワさんの、「Iron Fey」シリーズの2作目の邦訳の下巻。
奪われた季節の王笏を奪還するため、ミーガンたちは追放された妖精である、リアノーン・シーの力を借りることに。しかし、そんなミーガンの前に、アッシュが敵として立ちふさがり……。

というようなお話です。

下巻も面白かったです! 本当、さくさくと物語が進んで、ページをめくる手が止まらないです。
アッシュが敵になって登場して、ミーガンたちに襲いかかるのですが、そのあたりとか何ともドキドキしましたし、最後も違う意味でドキドキしました。こんなドキドキ感、いい読書体験ならではが生み出すものですよね。
最後の方は、なんとも切ない話が続き、一応ミーガンとアッシュは一緒に人間界に追放されるのですが、今後の展開が気になります。なんといっても、二人を覆っているのは黒い雲のような気がしてなりません。一体どうなってしまうのか。次が本当に気になる物語です。巻が進むごとに面白くなっていく印象です。

でも、惜しいなあと思うのはところどころ展開が甘いと感じるところですね。ミーガンの父親とか、アイアンホースの行く末とか、すごく大事なことがあっさりと読めてしまうのは、大変惜しいことです。
ともあれ、2冊目のこの話が面白いのも事実。アッシュとパックが共闘して、仲の良さを窺わせるやりとりは素直に嬉しいし、ロマンス要素もいいです。何よりびっくりしたのは、ミーガンの部屋にエスカフローネやNARUTOのポスターが貼ってあったことでしょうか。ミーガン、オタクだったんだな……。
それにしてもこのお話では、パックが前作に比べて活躍し、株をあげたのが嬉しいです。
とにかく続きが気になる! 直ぐに読めて面白い。アメリカのティーンに支持されるのもわかる、そんなお話でした。おすすめ。

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(2012年感想102冊目)

原題 Iron Daughter
ジュリー・カガワ 著 宮崎真紀 訳   彩 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(波乱の展開。前巻よりも面白い。)


パックはわたしのことが好きなんだ。わたしの一部がどきどきしながらつぶやく。そう、彼はわたしのことが好き。本当はわかってた。ずっと前から。(p210)


ジュリー・カガワさんの、「Iron Fey」シリーズの2作目の邦訳の上巻。
アッシュとの約束を守り冬の王国へと趣いたミーガンは、そこで辛い日々を送っていた。そんな中、夏と冬の国双方にとって大切な「季節の王笏」をアイアン族に奪われてしまい…??

というようなお話です。

いやー、この本は面白かったです。予想を裏切る波乱の展開続きで、ドキドキと読み進めることができました。前作では若干薄味だったロマンス要素も濃厚になってきて、違う意味でもドキドキします。いや、なんというかロマンスというより日本の少女漫画的な展開なのですが、そこがたまらなくいいです。
また、一巻で敵だった意外な人物(アイアンホース)が味方になってくれたのも意外でしたし、アッシュの兄、ローワンやセージの進退も意外でした。
でも何より嬉しかったのは、パックの再登場ですね。アッシュとミーガンを含める3角関係に、どう見たってパックの勝ち目はなさそうなのですが、それでもパックが登場すると場が明るくなるように感じます。
冬の王国の描写もなかなか美しい。夏の王国がアルカディアで冬の王国がチール・ナ・ノグなのも、いいなあと思います。
前作から張られていたグリマルキンとの契約の伏線は、あっさり片付きすぎてちょっと物足りなさを感じましたが、今回の巻もいろいろ伏線を張っているようなので、その回収が楽しみです。
それにしても、個人的には一巻よりも面白く感じました。下巻も新たな登場人物の出現に、ますます面白くなりそうなので、期待して読みたいと思います。
本当、ロマンス・ファンタジーとしてとても面白い作品だと思います。気になる方がいたら、ぜひ読んでみてください。
それにしてもミーガン、変わらない部分もあってイライラすることもあれば、成長したなあと思うこともあって、そこも物語の醍醐味かなと思いました。ミーガンの好感度も、前作に比べたらUPしたように思います。

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ルーンの子供たち 1 冬の剣
ルーンの子供たち 1 冬の剣
  • 発売元: 宙出版
  • 発売日: 2006/01/31



(2012年感想101冊目)

ジョン・ミンヒ著 酒井君二 訳   中川悠京 表紙絵
おすすめ度★★★★★(大好きな本。何度読んでも面白い。)


「おまえはこの世のすべてを生きてきたわけじゃないんだぞ。バカなやつめ。何をそんなに耐え続けているんだ。この世ではみんなつらいめにあっているんだ。それでも生きようという欲望を、少しでも立派に生きていこうという欲望を隠すこともせずに生きているんだ。人間はいつか死ぬために生きているんじゃない。生きている明日のために生きるんだ」(p294)


韓国のファンタジー小説、「ルーンの子供たち」シリーズです。
日本でも展開しているオンラインゲーム、TalesWeaverの原作小説でもあります。しかし、この本自体が非常に良質なファンタジーなので、オンラインゲームを知らなくても十分楽しめると思います。

そして、再読本でもあります。何度読んでも面白さが色あせないだけでなく、読めば読むほど面白くなる、そんな本だと思います。
話のあらすじとしては、魔剣を持った少年の成長物語なので王道中も王道なのですが、厳しいストーリー展開、世界観の奥深さや、魅力的なキャラクターなど、非常に質の高い物語です。ただ、誤字がちょっと多いのが残念かなあ。

個人的には、イェーフネンが虫を食べるシーンが忘れられないです。主人公ボリスの心の葛藤も深く、ぐいぐい引き込まれてしまいます。
しかし、オンラインゲームをやっている身としては、ゲームのキャラクターたちが活躍してくれるのが嬉しいですね。
しかし、この物語の魅力の一端は、ゲームには登場しないウォルナット(後のイシルダー)の存在でしょう。ほかにもロズニスやイェーフネンなど、脇役も本当に魅力的です。
韓国のファンタジーなら、私はドラゴンラージャよりルーンの子供たちですね。それくらい自信をもって、大好きと言える作品です。
重い雰囲気が続くお話ですが、暗くなりすぎないのは登場人物の魅力と、軽快な会話のおかげでしょう。思わずくすっと笑ってしまうようなやり取りもあって好きです。
この巻自体は、まだまだ序章といった感じなので、これからのボリスの世界の広がり方が、非常に楽しみです。
本当、ちょっと分厚いですが自信をもってオススメできるファンタジーです。ぜひ読んでみてください。

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